はなのすきなうし
マンロー・リーフ
ロバート・ローソン
光吉 夏弥
牛のフェルジナンドは、小さな頃から花が大好き。
他の牛たちはマドリードの闘牛場で勇敢に闘うことを夢見て
日々荒々しく遊んでいるのに、
フェルジナンドだけは、お気に入りのコルクの木の下で
花の匂いをかいで、のんびり毎日過ごしていました。
そんなある日、闘牛場から牛飼い達がやってきたのです。
他の牛達は張り切って、荒々しいところを見せるのですが...
見た目がとても地味な絵本です。
白黒の絵や昔風の書体の日本語など、
一見すると手にとらないかもしれない雰囲気。
でもでも、この絵本「物語の力」が強い絵本なのです。
そして、絵の力も強い!
読み始めると、しんっ。
と静まり子ども達の目が吸い寄せられる絵本です。
勇ましさ、勇敢さが尊いとされる世界で、
僕は花が好き。とおっとり暮らすフェルジナンド。
そんなフェルジナンドがひょんな事から闘牛場に行きます。
そこで彼がとった行動は、本当に彼らしい。
そしてこの絵本で忘れてはならないのはお母さんの存在。
フェルジナンドが友達と遊ばず淋しがっているのではなく、
花が好き。だからここにいる。と思っている事を知ると
他の子牛達と違う息子の存在を、まるごと認めて尊重します。
まるごと認めて尊重する。
自分が『普通』と考えている事と違った行動をとる人を
まるごと認めて、しかも尊重する。
簡単で難しい事ですよね。
私はフェルジナンドのお母さんのように他人に接することが出来るだろうか?
自問してしまいます。
自分らしく。いる事に勇気が出る絵本です。
少し長い絵本ですが、かなり集中してくれます。
ストーリーが楽しめるお子様からお薦めです。
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